CNCで丸を切削してみたけど丸にならない #EVO-ONE #バックラッシュ? #ケミカルウッド

ここ1か月くらいで、これとかこれで書いているような家庭用?CNCを使って切削を試してみている。

CNC本体が変わったので当たり前といえば当たり前だが、今までと手法が大きく変わっているのは

  • 2D切削から2.5D切削になったため、データの作成がドロー系ソフトからCADに移行しているということ
  • パラレルポート系制御基板からArduino利用のgrbl系基板になっているということ

だ。このあたりも業界の伝統というか、制度や安定性などでぱっと切り替えるのが難しいという背景もあるのだろうが、いろんな人がいろんな意見を持っているので勉強になることもある。

今回は、そんなふわっとした理解の人がマシントラブルと戦う話。

CNCについてはほとんど経験値はないのだが、今までに3Dプリンタ数台とレーザー加工機の部品をほぼ0から組み立てているのでステッピングモーター周りの知見に関してはかなり理解していると思っている。

今回は、前回に引き続きケミカルウッドの切削を試してみるべく、勘合具合が確認できる小さな容器を作ってみることにした。

形状としてはこんな感じ。

fusion360-container.png

ただの円筒形状。真円度や壁部分の厚み、勘合部の寸法許容度などが試せると思ってこの形にした。

こういう形状を切削するときにfusion360のCAMでどの切削方式を選べばいいのかがよくわからない。(業界では常識なのかもしれないが)そもそも2D切削と3D切削があるが、2.5Dの場合はどこからがどこまでをどの方法でやれば最短なのか迷う。たぶんCNC本体に剛性があって、騒音を出すことに問題がない環境であればどれでもいいのだろうが、我が家のように切削時間の短縮よりも静かなこと、材料を無駄に削らずに済むことを求める場合は悩ましい。

とりあえずポケット除去で粗削りをして、ランプで仕上げ加工という感じの手順で進むことに。

切削は結構大掛かりなマシンなのに静音性を優先してビビらない範囲のユルユル条件で。

で、やってみた。

P_20171217_221408_vHDR_Auto.jpg ???

なんかおかしい。切削中から気になっていたが、超緩い条件にもかかわらず、まれにビビる音がしたり、削る音にムラがある。地形図を掘っていた時も、Z方向の仕上げが汚いなと思ってはいたが、今回も同じ。それ以前にこんだけ柔らかいケミカルウッド相手に何やってるんだという感じのクオリティ。

外周の輪郭に至っては完全に円ではない形状になっているのに内周は結構きれいな円。容器自体は直径20mm、厚みを2mmでとっているので、勘合部の厚みは1mm。結果としてその1mmが0.5mmくらいから1.5mmくらいで変動している感じになっている。

今回やってよかったと思うのは2個同じような形状を出したこと。2個とも同じ方向に特徴があるので傾向がつかみやすかった。

気になっているところはこの部分。書き込みが薄くて見にくかった・・・・・

P_20171217_221408_vHDR_Auto - コピー.jpg

切削としては時計回りにエンドミルが動いているので、形状の特徴から判断するに、X方向、すなわち左右方向の移動が切り替わった瞬間にCNC側の移動が負けている感じがある。こう考えれば内周の切削では切り替わるタイミングで切削負荷が少ないので形がいびつになりにくいと判断できる。Y方向に関してはちゃんと動いている感じ。X-Y軸が直行していない場合は完全な楕円になるはずだ。

  • EVO-ONEは3軸ともベルトでも台形ねじでもなくボールねじで構成されているのでそこまで遊びがあるとも想定しずらい
  • バックラッシュ補正をソフトでやっているとしたら生のファームウェアが手に入りそうもないので積む
  • このレベルを商品として売るほうがどうかしてる

となってしまうので、とりあえず電動、手動でスピンドルを上下、前後、左右に振ってたが当然遊びがある感じもない。次に疑うべきは脱調だが、あまりにも定期的に発生している感じがあるのでこれもダウトな気がする。

ということでX軸の構造を確認してみることにした。

ちなみにEVO-ONEはこんな感じで門型、門は固定でY軸がスライドテーブルの形になっている。内部構造を確認するためにはオイルダンパー、アクリルカバー、左右の合板を外すことが必要。めっちゃ重労働。

isometric-Evo-One-cnc-desktop-mill.png

ということで、外してみたところ原因が判明。あまりにも大変だったので写真がないが、門を構成しているX軸の両サイドのねじが全本緩んでいることが判明。むしろ本締めしなかったんじゃないかと思うくらい緩んでた。

X軸とスピンドルはちゃんと固定されているが、門そのものが左右にぐらついているというのが原因だったっぽい。そりゃ剛性がないわ。

厚い合板で挟まれているだけにそのあたりが上手く吸収されて見えなくなっていたというのが結論。3020や6040のように丸見えのほうがいいこともあるよねというお話でした。

思わず一人で「しょうもなっ!!」とつぶやいてしまった。結果として、中の状態が確認できたので、鳴いていた冷却用の40mmFANを交換してそっ閉じ。

まぁ確かにイタリアから運ばれてくる過程でねじの1本や2本緩んでてもおかしくないよね。

再度切削してみて問題が解消したかどうかを確認したいと思う。

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