中華らしくない超小型CNCを買ってみる(その1) #Benbox #CNC1310

中国では独身の日、日本ではポッキー&プリッツの日から1か月。

ここ数年の間に、作りは簡易的ではあるが、中国からいろんな工作機械が安く買えるようになった。

確かに安かろう、悪かろうな商品も少なくないが、そういう雑なつくりだからこそ勉強になる部分もあるし、本気で買う前の予行演習になるという側面もあるので個人的には一概に否定はしたくない。

幸か不幸か、我が家にはそれなりの3Dプリンタ、それなりのCO2レーザー加工機、それなりのCNCが揃っているのでこれ以上の性能は独立、もしくは個人事業主にでもならない限り必要ないと思っているが、この2017年、逆にどこまでミニマル化できるのかということにもトライしてみたい。

今回はCNCと名はついているが実態は彫刻機として売られている激安のこんなやつについて。

なんだかんだ言っても、結局は3Dプリンタやレーザー加工機、CNCに関して基本構造はほとんど同じ。前後左右、上下に動く部分に樹脂を吐き出す機能がついているか、レーザーが出るようになっているのか、ドリルがついているのかの違いでしかない。

ただ、3Dプリンタは以下に精度よく早く動かせるかが求められるし、CNCであれば強い剛性を求められる。用途が違うのでそれぞれの目的に合わせて進化しているというだけなのだ。逆に考えれば基本構造だけを残せば同じ構造で1台3役も可能なのでは?という考えの商品も出てきてはいる。ただ現状ではどっちつかずでないよりましというレベルなのだが。

男ならだれでも工作機械には憧れるもので、一家に一台はという気持ちがどこかにある人も多いはず。ただ、設置場所や子供がいる、マンションなど住宅環境によって許される範囲が限定されるのも事実。そうなると機能を犠牲にしてでも小さいもの、安いものが欲しいとなるのは当然の流れだ。

Amazonで調べてみたら、このようなカテゴリの商品がいくつか見つかった。Amazonで買えるなんてすごい。

まずはレーザー彫刻機。

300mWなのでちょっと焦げればいいなという程度。レーザーカットは想定しておらず、焦げ目で絵を書いたりすることに特化したものだ。確かにワンポイントで刻印が入れれればいいのであればこれで十分かもしれない。

次の大きさがこれ。CNC 1310というタイプ。

CNCかどうかは別として、1310などの四桁の数字は前後2桁づつがXY方向の加工面積になっている。13cm x 10cmの面積の加工ができますよという意味だ。中国のこの手の商品はすべて同じような表現なので名前が同じだから同じメーカーだと思うと後悔するので気を付けて。詳細は写真で判断するしかない。

これは彫刻機として売られているもので、ドリルのような刃を使って、対象物を物理的に削り取る機能を持っている。削るということはそれなりの強度がないと使い物にならないのだが、この手の商品はアルミフレームでできているため、剛性、精度ともにお察しください状態である。できないよりましという感じなので勉強代だと思って買ってほしい。ものによってはレーザー加工機能がついているタイプもある。

次もシリーズものでCNC2418系だ。

同じくCNCとレーザー加工を売りにした筐体。加工面積がB5より少し小さいくらいになってくるのでそこそこのものが加工できるようになる。構造上、前後にはいくら長いものでも置けるが、門の幅を超えようと思うと曲げるしかなくなるので、2418系であれば短辺が24cm以下のものしか置けない。このあたりが判断基準か。でも、門が大きくなればなるほど剛性が下がるので加工精度が下がるという課題もある。鋳物など剛性が高い素材でできていればいいが、曲げるとしなるような材料だと大きいのも考えものだ。

あと、この2418系の亜種で2417というものがある。

この2417に関しては、2418から1cm小さくしたという意味合いよりも、2418と比べるとCNCに必要な剛性を高めたモデルという感じのほうが強い。アルミフレームで構成されているのは変わらないのだが、要所要所で金属板による補強が入っているので剛性が高いというのが売りのようだ。ぱっと持ち運べる大きさなのはこのあたりまで。

この次の大きさには3020というものがある。

ただ、3020までくると持ち運べず、据え置きの大きさになるので、逆に言えば動かさないことを前提にもっとしっかりしたものを買ったほうがいい気もする。さらに6040系など大型のCNCが存在するが、もうこれ以上は数十kgになるので腰を据えて使うくらいの気持ちじゃないと買うべきではない。

3Dプリンタに関しては数え切れないほどの様々な商品があるし、刻印専用のレーザー加工専用機であれば半導体レーザータイプのものが安い。ただの枠のような形状だが、加工面積はTシャツに絵が描けるくらいのものがある。

前置きが長くなってしまったが、今回はこの手のCNC/レーザー加工機の中から妥協点を見出してみた。判断基準は以下。

  • そこそこ安いこと
  • 卓上機で気軽に移動できること
  • 経験上、作るものは小か大がほとんどで中はあまりない。
  • この際加工範囲は気にしない(というかでかいのは持ってるし)
  • 剛性が高そうなオーラが出ていること

以上の観点からいろいろと漁った結果、以下の機種に決定。

benbox-cnc-cnc-1310-pvc-pcb-cnc.jpg BENBOX CNC 1310

この1310系モデルは平面部以外にアルミフレームを使っておらず、10mm厚の削りだしアルミパーツで構成されている。今回買ったのはアルマイトのアルミ製だが、MDFタイプや成形樹脂のタイプもある。

例えばこれ。

cnc-router-PCB-Milling-Machine-arduino-CNC-DIY-Wood-Carving-Engraving-Machine-PVC-Mill-Engraver-GRBL.jpg_640x640.jpg CNC Micro Engraving machine

どうも1310とすら呼ばないようなのでいい呼び方がないのだが、洗練された感じの設計で中国らしさが感じられないモデルだ。

今回は赤いアルミモデルに5.5Wのレーザーモジュールがセットになっているものを選んだ。差額は1万円程度なのだが、5.5Wのレーザーモジュールは単体で買うとどこも15000円程するのでそういう意味では一緒に買ったほうがお得。

今回も送料をケチってEMSにしたが、購入から発送までが1週間程度、発想から配達までが4日程度なので10日強で届いた。FedexやDHLの直接配送エリアであればもっと早くつくかもしれないが、1,2日程度は不在配達を考慮すれば誤差という感じ。

delivery.png

というわけで届いた。

P_20171219_221728_vHDR_Auto.jpg

いつもの中国式ラッピング。分別を考えると迷惑極まりないが、濡れた水が腐って臭いよりはまし。経験からいうと取り扱いの過程を考えれば中国の梱包は間違っておらず、これがベストだと思う。

中身は3Dプリンタなどと同様だが、キットとして梱包がちゃんとできている感じ。雑然と入っている感じはなかった。ただ、例によって説明書、ソフトウェア、CD-ROMの類が一切入っておらず組み立てすらままならないのでメッセージを送ったらOneDriveのリンクが送られてきた。ドライバ、ソフト、ハード的な組み立て動画のflvファイル。なぜflvなのかは謎だが、日本だと何のファイルかすらわからないと思う。ちなみに電機系の配線に関する説明はこれらのファイルにすら含まれていなかったが、もう面倒なので良しとする。

で、説明書がないまま、ネジの長さや位置から類推して組み立て開始。

P_20171219_224922_vHDR_Auto.jpg

とりあえずXYテーブルだけ。改めて思ったが、中国製にしてはよくできていると感じる作りだ。アルマイトの品質も素晴らしく、傷一つない。フレームに対してもネジ穴が正確に切ってあるため締めにくいということもない。どう考えても馬鹿にできる国じゃなくなってる。素晴らしい。

ということで、、、、後半へ続く。

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