レーザー加工機を改造する(2.どこまで手を入れるか)

前回、ざっくりと配線を追ったレーザー加工機。

言い方は悪いが購入品に大したオリジナリティーもないようなので、サクッと部品単位で交換していくことにした。

問題は、最小コストで自分にとって最大限のメリットが出るようにするにはどうすればいいのかということ。

実際にはそれなりの行ったり来たりがあったのだが、ここではお勧めの方法で記載しておく。

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今回は、とりあえず動く状態で手元にある加工機の改造なので必要な部分だけに手を入れたい。

前回洗い出した問題点について、回路を追った段階で解決した点は1点だけ。

①レーザーが弱いような気がする(裏面電源コネクタ部に200V表記のシールが貼ってあったので110V仕様であるという確信が持てずに今日に至る)

↑疑ってはみたがちゃんと110V側になっていた。仕様上は問題なさそう。

その他、②~⑤まではソフトウェアの問題、⑥、⑦についてはハードウェアの問題だ。

②加工ソフトの挙動がいまいち(Windows10にしてから進捗の通知ポップアップが頻繁に出てうっとおしい)
③途中でジョブをキャンセルした後、再度印刷を始めると前回の残りのタスクが実行されてしまう(本体の電源を一度切ると正常に戻るのでバッファに残ったゴミっぽい)
④Inkscapeと印刷に使うCoreldraw間で微妙にsvgの表示が違う。(塗りつぶしがアンセットだと黒になる)
⑤同じ形状を繰り返す場合、LaserDrwでは1度カットするたびにEnterを押さないといけない。
⑥レーザー経路の最終段、集光レンズがむき出しなので彫刻、カット対象の煙が直撃してレーザー強度が落ちる

⑦レーザー強度が操作パネルからの設定決め打ちでソフトウエアからの強弱制御ができない。

今回はレーザーヘッドを交換することで解決できる⑥は放置し、その他②~⑦を解決できる(解決できる可能性のある)方法を探すことにする。

これらの問題の中でも一番困るのは⑦のレーザー強度を動的に変えられないことだ。ボタンを押せばその瞬間に出力は変わるのだが、あくまでも物理ボタンであってカットや彫刻に合わせて自動的に追従してくれるものではない。この操作パネルについてだが、前回の解析で、ただの0-5V出力野郎だということが分かっているので、ここをPWM出力に置き換えればそれっぽくなりそう。

ということで、お察しの通りで恐縮だがオープンソースのボードにさらっと置き換えることした。

大きく分けて以下の2つの選択肢がある

1. Ramps1.4 + Laser mod

3Dプリンタ系のRampsを使ってエクストルーダーをレーザー出力に置き換える形。

LCDやSDカードを使うことでPCを使わない単体動作が可能。

2. CNC Shield + grbl

CNCフライスなどのプラットフォームを使ってスピンドルをレーザー出力に置き換える形。

2016年末にレーザーモードが公式機能として搭載されている。

正直言って、どちらもg-codeを解釈してステッピングモータの制御とPWMの出力をやるものなので大差ない。と思っていたのだが、

実際に使ってみるとCNC ShieldのレーザーモードがまぁまぁイケてるのでCNC Shieldでいくことにした。

違いは以下の図の通り。

中華基板ではヘッドが等速に移動しながら、レーザーのON/OFFを切り替えてカット、彫刻する。慣性の法則などを無視できれば理想の状態ではある。あくまでもレーザーは固定強度なので濃淡表現はできない。(誤差拡散などを使って印字する絵柄に濃淡を織り込む必要がある)

それに対し、grblでは、それぞれの座標間を移動しながらレーザー出力をON/OFFしていく。なので、grblで設定してある加減速に基づき、加工境界では移動速度が変わる。ヘッドの移動速度が変わるにもかかわらずレーザーが固定強度だと、当然その周囲だけ彫りが深くなる。

それを改善するのが新しく搭載されたダイナミックレーザーパワーモードだ。速度が速い時、遅い時に連動してレーザー出力が変化するようになっているため、均一に焼けるモード。

Laser mode.png

じゃあ、なぜ中華加工機は一定速度でラスタスキャンできるんだ?といわれるとまだよくわかっていないのだが、たぶん汎用のg-codeではあくまでも座標ベースの管理なので、どうしても途中で加減速が発生してしまうんじゃないかという感じ。一定速度を保った状態でスピンドルの可変制御が出来ればいいのだろうけど。

加減速を捨ててg-codeをうまく吐けば速度を一定に保ったままタイミングよく変化させることもできそうな気もするが、CNCには全く必要のない機能なので何とも言えない。grbl側に一定速度でラスタスキャンするための機能を追加しないと難しいのかも。

ということで、今回はこのgrblのM04を使える前提で環境構築していくことにする。

ちなみに手動制御基板はそのまま使うことにした。意外とうまくいきそう。

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