Indiegogoの小型ドローン ONAGOflyが届いた #クラウドファンディング

昨年、Indiegogoで出資していた小型のドローン Onagoflyがようやく届いた。

ONAGOfly: The Smart Nano Drone

クラウドファンディングはいろいろ出資してみていて、どんな感じなのかも大体掴めてきている。今回はそんなクラウドファンディングの実態と、実際に届くものがどんな感じなのかを書いてみたい。

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1.クラウドファンディングから感じていること

クラウドファンディングはあくまでも出資だ。世の中的には自分が欲しいものを手に入れるための買い物のような感じで扱われているが実体は違う。

注意点はこんな感じ。

1.ファンディングが始まった時点でものが完成する保証はない

2.出資を募る時点では予算がないため、これから作る商品はあくまでも想像(CG)

3.スケジュールは大体遅れる

4.途中で頓挫してものが送られてこない可能性もある

5.実際には出資を募っていた時の性能を満足しないものが届くこともある

6.うまくいけば量産フェーズに移行しサポートも継続されるが、大体は一発屋で送られてきたものに対してのサポートはない

7.どうなったか分からずに連絡が取れなくなるものもある

8.ある程度の人数で動くプロジェクトもあれば、個人で無理なスケジュールや開発規模をこなそうとしているパターンもあり得る

まぁどれもネガティブなイメージでしかないが、これが実体だ。募金や支援など、ボランティア的要素であれば大体すんなりいく(というか終始して終了という感じ

一番危険なのは、たとえばデジモノの開発を売りにしたファンディングの場合に、メンバーがエンジニアとしての能力に欠けているときだ。そういうときは大体現実離れした機能や実情に見合わない性能を売りにしていることが多く、いくら金が集まったとしても実現が難しい。

クラウドファンディングという特性上、お金を集めるためにはそれなりの売り文句が必要なので、過大広告になりやすい。現状の技術で作ることができ、需要がある商品を大手が作らないわけがない。ということは大手に比べ、もの作りをした経験値のほとんどない人たちがゼロからモノづくりをしたところでいくら足掻いても無駄ということになりかねない。実際にはそんなもんだ。

逆にいえば、大手としては利益を上げにくいニッチな商品ではあるけれど、世界的に見ればそこそこ需要があるという商品はファンディングに向いている。たとえば技術的にも枯れた技術で実現できるが世界中で1000人程度しか欲しいと思っていないものとか。

今ではCGや動画の見せ方次第で存在しないものを存在しているように見せることは簡単だ。

たとえば個人向けならフリーのCAD/CAMソフトであるfusion360を使えば機構設計、デザイン、動作シミュレーション、3Dプリント、切削などが1津のソフトで実現でき、モデリングによって実際の商品と見まごうCGを出力することができる。

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ファンディングの段階ではこのようなソフトでイメージ映像だけうまく作ってしまえば出資者を信じ込ませることもできるし、悪く言えば騙すこともできる。出資者の立場から見ても、どういうものに出資するのかわからないよりは形状や大きさなどを事前に確認することができるため決して悪いことではないのだが。

これはあくまでも悪い面の話だが、実際にはファンディングで初めてモノづくりをする人だけではない。中小企業でいいものを作っているのだが、予算がなく商品化が難しいというケースや、コア技術だけ持っているような企業で、ファンディングをきっかけにファブレス化を目指しているようなまともな企業も多い。そういうケースだと、大体のビジョンが見えた段階で出資を募るため、よく言えば計画通りにものができるという場合もある(逆にいえば出資し甲斐がなく、感覚的にはただの買い物)

2.実際のところどうなのか

では、実際のところどうなのかということについて。個人的な出資状況を書いてみる。名誉のため実名は伏せておく。

INDIEGOGO 4件 (成功、到着済み1件、不達・連絡なし1件、未達成1件、成功、進行中1件)

KickStarter 9件 (成功、到着済み3件、不達・連絡なし1件、頓挫1件、苦悩中1件、成功・進行中2件、未達成1件) 

その他 1件(成功、到着済み)

こんな感じだ。14件のうち、ちゃんと物が届いているのは5件だけ。金だけとられて行方不明なのが3件と散々な結果。投資といえば投資なので、株を買ったら爆下げして申し訳程度の株主優待が送られてきた。こんなイメージだよね。自分の中でこれはよかったなと思うプロジェクトは届いたうちのたった2件なので満足度はあまり高くない(残り3件はまぁそうだよねというものができてきた)。

これはあくまでもエンジニア観点でそれなりのフィルタをかけた結果なので、何も考えないともっと悲惨なことになっていると思う。

3.今回のドローンの場合

このONAGOflyについてだが、ファンディング開始は2015年の12月、それから2016年の2月まで資金を集めてプロジェクトが始まっている。計画上、完成品の送付は3月になっているが、そもそもの計画に無理がある気もする。このプロジェクトはファンディングには大きく成功したほうで、当初計画に対し1754%の資金を集めることに成功しているのでこのあたりのキャパシティを超えてしまったことで期間が延びた可能性が高い。

このファンディングにはフレキシブルゴールというものが設定され、資金が集まれば集まるほど内容が豪華になるというオプションがいくつかあったのだが、キャリーバッグ、バッテリー,Prokit,VRゴーグル、予備のプロペラ、Tシャツ、ブラックモデルの設定とすべてのゴールを満たした珍しい例でもある。個人的にはこの最後のブラックモデルが設定された時点で、最初の出資をキャンセルし投資し直したので発送が遅れる原因にもなった。普通なら発送前に選べるようにすればよかったのだろうが、今回の場合は発送時期直前になって達成したので在庫が間に合わないという回答だった。出資額は250ドルほど。まぁ安くはないよね。

で、先日ものが届いた。なぜか発送は大阪。日本国内分をまとめて持ってきた感じか?

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中身はこんな感じ。ぎっしり入っているがストレッチゴールにあったバッテリーが入ってない。まぁいらないけど。

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Tシャツ、VRゴーグル、本体、キャリングケース

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VRゴーグルはこんな感じ。スマホを入れるタイプなのでただのレンズとケース。自分で買うほどのものではないのでちょっとうれしいけどgoogle cardboard対応ではないようだ。(マグネットスイッチ機構がない)おまけならいいかなという感じ。

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本体。化粧箱はめちゃくちゃ金がかかってる。iPhone並みのクオリティ。本体もデザインや機構に不備はなさそうなのでむしろ期待が高まる。見た目上の欠点もなし。

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本体、予備プロペラ、充電器、充電ケーブル関係。残量確認も可能で出来はよさそうだが専用端子。

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4.で?

この尻切れトンボ感が伝わるだろうか。電源が入らないわけでもないし飛んでいって壊したわけではないし、なくしたわけでもない。アプリが糞なのだ。何度か外での飛行を試したが、浮き上がった瞬間から制御不能に陥るのでこの先のレビューはなし。アプリが固まる頻度が高く、強制終了したりするのでいまいち操作できているのかどうかが判断できない。

カメラの映像も受信はできるのだが飛ばしている最中は見る余裕がないという感じ。とりあえず、アップデートを予定しているようなので、壊れる前にやめておこうと思った。

本体のファームウェアアップデートと、アプリのアップデートで改善できるだけのポテンシャルはありそうなのでちょっと期待して待つことにする。

ドローンは専用コントローラが付属したものを買うことをお勧めする。タッチパネルや傾きで操作なんてもってのほかだった。結果はまたそのうち。

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