RaspberryPi + LCD(SC1602B)+ 赤外線受光モジュール用ケースの作成

家の中に基板剥き出しで放置、動作しているRaspberryPiの基板。ミュージックサーバーとして余生を過ごすことになるのが確定しているのなら、せめてケースに入れて放置してあげたい。でもいまさら安っぽいケースを買うのも勿体無いし、余生の過ごし方を考慮してそれなりの付加価値をつけてあげたらどうだろう?と考えてみた。

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以前にも書いたとおり、「RaspberryPiって安いPCが出るらしいぜ!旦那!」って口車に乗せられて勢いで買っちゃった人はたくさんいるはず。そりゃPCが5000円以下で買えるって聞いたら飛びつくのは当然。僕もその一人だった。

でも、実際にはイメージファイルを焼けだのコマンドを打てだの日本語環境にしろだの、Linux環境を触ったことのない人にとっては、とてつもなく高いハードルがいくつも待ち受けている。しかもそれを最後までこなした所で快適な動作を味わえるわけでもないっていう微妙な展開。そりゃ押入れ行きだよね。以前に記事も書いたが、あれだけの情報でやってみようと思う人は相当少ないと思う。

ってな感じで、用途があれば組み込みやすくてコスパのいいRasberrypPiだけど、その用途がなくなった途端に汎用機としての利便性が全く感じられないコイツをなんとか活かしてあげたい。あなたのRaspberryPiに第2の人生を与えてあげたい。

まずは一般的な人が使う汎用機としてのRaspberryPiという存在を想像してみた。

1. どう使おうが低価格路線はキープ(追加予算は最小限に。金をかけないことに意味がある)

2. 仰々しいSystemにはしない(マウス、キーボード接続なんてナンセンス。PCとしては使わない)

3. 専用機に負けない機能性、汎用機にないシンプルさ(買う程でもないけどあったら便利なものを実現したい)

4. マニア向けではなくカジュアルユーザー向け(品質は二の次。動けばいい)

5. みんなが便利だと思うもの、無駄遣いにならない用途(まぁ人それぞれだよね)

こんな感じなら万民に受け入れてもらえるだろうか。

RaspberryPiはコンピューターとしての性能以外に豊富な入出力インターフェースが売りのボードでもある。いろいろな機能を想定してしまうと、「ケースなんかに入れることがナンセンス。男なら剥き出しで使え!」ってことになってしまうので、一般的な用途で想定される範囲の入出力のみを実装する。現に売られているケースの大半は穴が開きまくっている、ケースが透明、など完全なオタク仕様である

で、いろいろ苦悩して数ヶ月。自分が必要としていて、かつコストに折り合いが付くと考えた範囲でコンセプトをまとめた。

RaspberryPi専用ケース(ネットワークオーディオ端末を主に最低限の機能を実装)

– GPIO接続のLCD一体型(LCDは入手性が高い秋月製を選択)

→ チープでも何らかの表示機能があれば使い道が広がる。

– 将来性を考えて 赤外線リモコンを使えるように赤外線受光モジュールを内蔵

 → シンプルな入力インターフェース

– 汎用I/O( USB,HDMI,オーディオなど)は潰さずに活かしておく

 → 中のソフト次第で機能を変えられるのがRaspberryPiの魅力

– 市販のケースと同等の予算を実現

  → 4000円程度の本体の周辺機器にかけられるコストは2000円くらいがいいとこ。

結局はAppleTVとかChromecastみたいなメディアストリーミング端末にしてしまおうって趣旨。このコンセプトの重要な部分として

– あえてHDMIの映像出力は使わない(わざわざテレビをつけてまで使いたいと思える端末じゃない。マニアを除いて。)

– 高級な部品も使わない(これもマニア仕様ではなくカジュアルユーザー向けという意味で)

– 必要な人だけが自分でグレードアップできる内容にすること(各個人の用途に応じて拡張できるようにする)

こんな感じ。意外とこの範囲をカバーしているちょうどいいケースって探しても売られてないんだよね。ソフトをセットで考えてはいるけれど、まだ配れるレベルじゃない。

とりあえずは目的の機能を実現するため、LCDと赤外線受講モジュールを内蔵できる形をCADで設計、3Dプリンタで出力してみた。 設計思想としては機能性を保ちながら内蔵する部品が綺麗に収まる最小限の大きさと部品点数。3Dプリンタで容易に出力可能な形状を目指した。RaspberryPiのケースは上下から挟む形のケースが多いが、今回はあえて中空ケースに前後からパネルで挟み込む形にしてみた。パーツとしてはケース本体、液晶保持パネル、フロントパネル、バックパネルの4点。

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組み立ては、LCD と赤外線受光モジュールへの配線を行い、液晶保持パネルとフロントパネルで挟み込んだものを本体に共締め。バックパネルは背面2点と底面2点で基板とともに共締めするだけ。ケース穴にねじ込むためナットは不要、ネジは計10本。

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で、実際に結線後組み立て、プログラムを動作させるとこんな感じに。

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今回はRaspberryPi B+向け(microUSB給電コネクタの位置が背面でシンプルだったため)に設計。左の緑LCDが秋月SC1602B(BSLB)+赤外線受光モジュール、右の青LCDがノーブランド1602Aと赤外線受光モジュールの組み合わせの2通りを作成。赤外線受光モジュールはLCDの構造上、秋月は右、ノーブランドは左に配置した。動作には赤外線リモコンを利用できるので、今回はAppleRemote(A1156)でテストしている。

正面パネルの取り付けはLCDの基板穴に合わせ、秋月はM2、ノーブランドはM3で止めた。M3のほうがビジュアル的にはかっこいい。本体の右側側面にはインターフェースがない代わりにお試しで放熱スリットを。左側にはRaspberryPiのUSB、LANコネクタを。背面はオーディオ兼ビデオ端子、HDMI、給電コネクタと一通りの出力が出せる。ただし、今回は据え置き機を意識し、SDカード穴は開けないことにした。背面は上部2箇所だけM3で止めているように見えるが、RaspberryPiのネジ穴を利用し、底面から基板と背面パネルを共締めしてある。

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この形だと、本体のインターフェースはそのまま使えるので、HDMIやUSBを使って拡張もできるミニPCとしても使えるはず。

LCDの画面なんかを見ると想像がついちゃうかもしれないが、とりあえず拡張をせずに使う場合はこんな感じを想定。USBコネクタに無線LANドングルを接続し、オーディオ出力にアンプ内蔵スピーカーを接続すれば、電源をmicroUSB接続するだけでネットワークオーディオ+AirPlay+ストリーミングレシーバの機能が実現できる。

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もし「RaspberryPiが家に転がっている人」で、「秋月LCDも持っている人」、「将来的には赤外線受光モジュールとSC1602Bをちゃんとしたケースに入れたい」気持ちや「赤外線リモコンやLCDのプログラムでもしてみるか」という人も多いと思うので、もし希望があればクオリティー抜きで3Dプリンタで試作したケースを実費で配布します。RaspberryPi Model B用も作りたいとは思っていますが、現状ではB+ユーザーのみです。材質はPLA、耐熱性はないので車載は厳しいですが、テレビ横に置く程度なら問題なしです。3Dプリンタの印刷サンプルとしても参考になるのではないかと。こういうのが欲しい、使ってみたいという方はコメント欄にお願いします。

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